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積極的な「業務提携とM&A」で成長加速

業務提携とM&Aで着実に業容拡大

1993年にクオール薬局1号店(日本橋兜町)を出店以来、薬局事業は順調に店舗網を拡大してきました。2008年のローソンとの業務提携による新しいスタイルの店舗展開、積極的なM&Aを行い、拡大しています。

また、保険薬局以外の分野では、2012年にアポプラスステーションをグループ会社化しCSO事業に本格参入したほか、2019年に藤永製薬をグループ会社化し、製薬事業に進出しました。

さらに2024年4月より第一三共エスファがグループ会社となり、製薬事業は、コア事業である薬局事業に次ぐ事業規模となりました。

連結売上高と営業利益の推移を示したグラフです。 縦軸の左側は売上高(単位は億円)、右側は営業利益(単位は億円)を表しています。 横軸には、2004年3月期から2025年3月期(予測)までの各年度を表しています。 2004年3月期 営業利益 0億円 2005年3月期 営業利益 6億円 2006年3月期 営業利益 8億円 売上高 217億円 2006年 クオール上場 125店舗 2007年3月期 営業利益 9億円 2007年 エーベルを合併 2008年3月期 営業利益 13億円 2008年 ローソンと業務提携 2009年3月期 営業利益 15億円 2010年3月期 営業利益 20億円 2011年3月期 営業利益 28億円 2012年3月期 営業利益 33億円 売上高 662億円 2012年 ローソンと資本提携、アポプラスグループ会社化、東証1部上場 2013年3月期 営業利益 28億円 2014年3月期 営業利益 21億円 2015年3月期 営業利益 42億円 店舗数は500 2016年3月期 営業利益 67億円 売上高 1,250億円 2016年 共栄堂グループ会社化 2017年3月期 営業利益 69億円 店舗数は700 2018年3月期 営業利益 90億円 2019年3月期 営業利益 70億円 2019年 藤永製薬グループ会社化 2020年3月期 営業利益 77億円 店舗数は800 2021年3月期 営業利益 73億円 2022年3月期 営業利益 98億円 2023年3月期 営業利益 94億円 2023年 第一三共エスファグループ会社化 店舗数は900 2024年3月期 営業利益 83億円 2025年3月期(予測) 営業利益 150億円 売上高 2,700億円 2008年頃から新規出店で成長、M&Aを加速していく

業界動向変化する保険薬局市場

Point1薬局に求められる機能は「対物」から「対人」へ

超高齢化を迎えて国民医療費の抑制が大きな課題であるわが国では、薬価・診療報酬改定など、保険薬局業界にとって厳しい環境が続いています。

かつて薬剤師の主な業務は、お薬の計量や薬袋の作成、処方箋受取・保管といった薬中心の業務(対物業務)だと考えられていました。しかし、2015年に厚生労働省が公表した『患者のための薬局ビジョン』の基本的な考え方のなかで、「対物業務」から「対人業務」へのシフトが示され、一人ひとりの患者さまへのサポートをより充実した「かかりつけ薬局」への移行が進みつつあります。

また、2021年より、特定の機能を有する薬局として都道府県知事により認定を受ける「認定薬局制度」がスタートしました。認定薬局には、「地域連携薬局」と「専門医療機関連携薬局」の2種類があり、いずれも今後の薬局に求められる機能が具現化された薬局です。

これら「かかりつけ薬局」、「認定薬局制度」の制度創設によって、患者さまがご自身に適した対人サービスを提供する薬局を選択できるようになりました。今後は、患者さまが能動的に保険薬局を選ぶ時代となり、生活者の様々なニーズに対応できる薬局が生き残っていくと考えられます。

保険薬局の出店形態の変化 医療機関に対し薬局が分散している形態から、かかりつけ薬剤師 認定薬局を中心に据えた形態へと変化しています。

「対人サービス」充実のための「薬局DX(デジタルトランスフォーメーション)」推進

薬局の対人サービスを充実させるためには、「対物業務」を効率化することも重要です。
厚労省は薬局DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しており、オンライン服薬指導、リフィル処方箋、電子処方箋などの運用がスタートしています。こうしたデジタル化への対応力も、患者さまの利便性の観点で、薬局の差別化要因になると考えられます。

Point2大手チェーンによる集約と、異業種からの参入が進む

また、保険薬局は「かかりつけ薬局」、「認定薬局」として多様な医療ニーズへの対応が求められるようになり、今後は、当社を含む大手チェーンによる集約が進むとともに、スーパーマーケットやドラッグストア等の異業種からの参入が増加すると予想されます。

現状の保険薬局市場は、大手チェーン薬局、異業種、その他で構成されており、大部分をその他が占めている。 中長期的に見た保険薬局市場では大手チェーン薬局による集約が進むとともに異業種からの参入が増加すると予想される。

業界動向変化する医薬品市場

医薬品業界は、AIを含むデジタル技術の効果的な活用によって抗体医薬品等の専門性の高い新薬を開発し、収益を最大化するビジネスモデルへ変革を図っています。
しかし日本政府は、医療費抑制の手段の一つとして継続的な薬価引き下げを実施しており、新薬の開発に成功して認可が下りたとしても、期待するような利益を得られない恐れがあるなど、新薬開発の難易度は上昇しています。
そのような環境のもと、製薬会社の中では、新薬の開発に注力する企業や、長期収載品や後発医薬品の製造販売に注力する企業のように、経営資源を特定分野に集約させる動きがあります。

医薬品の中で大きく2つに分かれており、1つ目が医療用医薬品 医師の処方箋が必要、公定価格(薬価) 2つ目がOTC医薬品等 一般用医薬品や配置用家庭薬など 薬局やドラッグストアなどで購入可能 個別ブランドとして宣伝が可能 医療用医薬品の中ではさらに3つに分類され、 新薬 独占販売期間が認められているもの、 長期収載品 新薬として発売後時間が経過し独占販売期間が終了しているもの、 後発医薬品(ジェネリック医薬品) 独占販売期間が過ぎた後に発売(新薬の半値以下)したもの、 オーソライズド・ジェネリック(AG) 原薬、添加物・製法等が新薬と同一の後発医薬品

Point1後発医薬品の普及促進

増大を続ける医療費を抑制し医療制度を維持するために、政府は、低価格な後発医薬品の普及を促進してきました。
現在、医薬品全体に占める後発医薬品のシェア(数量ベース)は約80%まで上昇しましたが、今後新たに金額ベースでの普及目標を設けることで、政府はさらなる使用促進に目指すとしています。
一方で、近年、後発医薬品の品質トラブルが発生したケースがあったことから、普及促進のみならず、後発医薬品メーカーに対して品質管理の徹底に向けた取り組みの強化が求められています。

Point2後発医薬品メーカーは「品質確保」と「安定供給」が生き残るカギに

2020年に一部の後発医薬品メーカーの不適性事件が発覚して以来、様々なメーカーで操業の一時停止や製品の自主回収が発生し、後発医薬品の供給不足が問題となりました。
この問題の遠因と考えられるのは「後発医薬品市場の急拡大」です。
後発医薬品の使用割合(数量シェア)は、2011年まで40%未満でしたが、医療費削減のために政府が強く使用を推進したことで、現在は約80%となっています。数多くの医薬品メーカーが後発医薬品の製造販売事業に算入しましたが、急激な市場拡大の一方で、製造や管理体制がおろそかになった会社があったと考えられています。
政府は、国民に必要な医薬品を安定的に供給するという観点から、「品質確保」及び「安定供給」に重点的に取り組んだ後発医薬品が生き残れるような施策を展開することにより、産業構造的な課題の解消を目指すとしています。